ストーリーとキャラクターの感想は前回の記事をどうぞ(テイルズオブヴェスペリアの感想 【ストーリー・キャラクター編】)。
前回より2週間ほど空きましたが、この間にほぼ完全クリアを達成(隠しダンジョン踏破)しました。いやぁ……久々にゲームらしいゲームをした気がする……!!
今回は戦闘について。ネタバレはありませんが極度のリタびいきは自重していません。
テイルズオブシリーズといえば初代ファンタジアの頃から格闘ゲームライクな戦闘がウリでした。現在テイルズオブシリーズには大別して『2D戦闘』と『3D戦闘』の2タイプの戦闘スタイルがあります。
前者は平面であることを活かし、X軸とY軸を文字通り縦横無尽にちょこまか動けるのが特徴。2頭身キャラが比較的ゆっくり動くファンタジアから作を重ねるごとに進化、シリーズ3作目エターニアではキャラの頭身があがり現在のソレに近い内容となりました。この2D戦闘スタイルはハードの処理速度向上によりスピード感(物理的にもビジュアルエフェクト的にも)が増した4作目デスティニー2(PS2)で早くもひとつの完成系をみたといっても良いでしょう。
一方後者『3D戦闘』は5作目シンフォニア(GC版)で初登場したスタイル。奥行きが加わったことにより2Dとは異なるテクニックが必要となりましたが、キャラクターが動ける戦闘フィールドが広がったためユーザーが工夫できる余地も増え、結果的にテクニックの多寡にかかわらず楽しめるようになりました。
シンフォニア→ジアビス→ラタトスク→ヴェスペリア、と据え置き機でのナンバリングタイトルでは3D戦闘採用4作目となるヴェスペリア。本作ではこれまでの長所や短所を見事に考えられて作られています。
まず見た目の美しさ。GC以上に美しく、当然PS2以上に美しく……次世代機であるXbox360の恩恵を存分に受けたグラフィックは圧巻です。術や技のエフェクト、遠景まで描きこまれた背景、通常の頭身でモデリングされたキャラクター、これらがHD画面の中をこれでもかと彩ります。戦闘をウリにしているRPGということで、当然ながらゲームプレイの最中幾度となく戦闘することになります。そんな戦闘画面がアレだとモチベーションもガタ落ちしますが……このヴェスペリアなら目の保養となるほどのクオリティなので問題はありません。くるくる回るリタにピヨピヨ状態のリタ、レベルアップ画面でのそっけないリタに秘奥義カットイン時の凛々しいリタ。ありとあらゆるリタがプレイヤーのモチベーションをブチあげてくれます。ヴェスペリアは副題として『「正義」を貫き通すRPG』としてプレイヤーに『正義』の解釈をゆだねていますが、全世界20万人のプレイヤーの9割は『かわいいは、正義』的な意味での『正義』と解釈しているに違いありません。
次にあげるべきは爽快感の高さ。キャラが自分の操作以上によく動きます。従来作はプレイを始めて最初の戦闘に突入するたびにもっさり具合に辟易したものですが、ヴェスペリアは最初からサクサク動いてとても驚きました。それもそのはず、通常のシーンは30fpsで描画されているのに対して、戦闘シーンでは60fpsで描画されているのです。単純に2倍の描画枚数、驚きの滑らかさです!! また、先述した美麗なエフェクトも、どれだけ数が増えようとほとんどにおいてコマ落ちすることなくスピーディに表現され、常時東方シリーズの弾幕のごときふつくしさが展開されます。いまひさしぶりにPS2のジアビスの戦闘動画を見たら、GC版シンフォニア→PS2版シンフォニア並みの衝撃がありましたよコレ(※PS2版シンフォニアは重力3Gくらいの動きで有名)!! ちなみにあまりにも爽快な動きが可能になったため、登場キャラ・ジュディスの動きがヤバいことに。ナムコは鉄拳シリーズを抱えているソフトメーカーであるということを、レジェンディア以来久しぶりに思い知らされました。なお、ここでどう見てもギルティギアです。本当に~とか言い出したら見えない何かに負ける気がするのでこらえてみました。
そして見た目や動きだけでなく、戦闘の骨子部分も確実に強化。ストリートファイターZERO3のイズムセレクトを髣髴とさせるオーバーリミッツにより切り札が増えましたし、これまた格闘ゲームを想起させる一撃必殺システム・フェイタルストライクによりマンネリしがちな高HPモンスターとの戦闘にもメリハリもつきました。術技の連携パターンが大幅に増えることでコンボの種類が実質無限になったのもポイント。自分だけのコンボを決められたときの爽快感といったらもう……!! ゲームシナリオの都合と、戦闘パーティが強制変更させられるサプライズエンカウントにより全キャラクターをいつの間にか使えるようになるので、闘技場全キャラクリアが苦痛にならないのも従来作にない進化ではないでしょうか。
ますます格闘ゲームに近づいたヴェスペリアの戦闘システム、ですが、決して難易度が上がったわけではないのが絶妙なところ。所詮使うボタンの数はテイルズオブ従来作品と変わらないため操作に困るということはなく、また先述のオーバーリミッツの存在によりゴリ押しも全面的に可能。FOEだのFOFだのと変な横文字の概念を覚える必要がなくなったぶん、従来作よりむしろシンプルになったのではとさえ思えます。困ったらリタでタイダルウェイブ連発でまるっと解決、何のことかわからなくともこれさえ覚えておけば連射機でもラスボスを撃破できますので、不安な方は是非暗記しておきましょう。
と、非の打ち所のないヴェスペリアの戦闘システム。現状、テイルズ至上最高の出来といっても過言ではないでしょう……が、実は致命的な問題が一点あります。それは、コントローラのボタン。Xbox360のコントローラはSFCやPSシリーズと比較して何故かAボタンとBボタンの位置が逆になっているため、僕のようなXbox360初体験者は混乱すること間違いありません。オプションによりAボタンとBボタンの通常攻撃/術技の入れ替えは出来るものの、決定ボタンとキャンセルボタンはそのままAボタン(PSの×ボタン位置)とBボタン(PSの○ボタン位置)が担うため、メニュー画面を開いては閉じ開いては閉じする現象が多発します。今すぐ、アイテムを、使いたいのに!! くわえてスタートボタンのそばにXboxホームボタンがあるため、その誤押下も多発。こればかりはMicrosoftの問題であってなんらヴェスペリアに非はありませんが……正直なところラタトスクのヌンチャクコントローラ以上の違和感はプレイ80時間を通しても拭いきれませんでした。だから……PS3で出しておけば良かったものを……!!
戦闘だけで長文になってしまったので、残りはまた後日。ヴェスペリアの感想だけでどこまで引っ張る気なんだ。
2010年11月22日 0時更新
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