現在インターネットにあるホームページの大半は『HTML 4.01』という言語によって書かれています。"index.html"といったよく見かけるURLの"html"の部分ですね。『HTML 4.01』というのはそのままHTMLというマークアップ言語(※プログラミング言語と書くと大変面倒)の4.01番目のバージョンということ。このたびそのHTMLの5番目のバージョン、『HTML 5』の草案がこのたび発表されました。
これまでのHTMLは構造的にスマートなページを作るのが面倒な書式でした。このあたりを書くには10エントリでも済みそうにないのでいつかの機会に譲りますが、まぁとにかく『HTML 4.01』以前のHTMLはお世辞にも素晴らしい言語とは呼べませんでした。しかし『HTML 4.01』が世に出回り始めた1998~2000年頃といえばちょうどホームページが黎明期から脱しネコも杓子も"ホームページ! ホームページ!"と叫んでいた時代。ホームページの流行と共に『HTML』は一躍世界でもっとも実用されている言語となり、派生してさまざまな分野で利用されることとなりました。
しかしながら先述のとおりあまりデキの良くない『HTML 4.01』。ホームページ用として手っ取り早く策定されたHTMLをそのまま応用して使っていくにはさまざまな不都合があったのです。そこで構造的に素晴らしいとされた『XML概念』を取り入れた新規格『XHTML 1.0』が開発されました。この『XHTML』は『HTML』では難しかった"人間だけでなくコンピュータにも理解できる書式"でホームページを作ることができるので、ブログなどの先端的なwebサービスととても相性の良い規格です。実際MovableTypeは標準でこの『XHTML』のページを生成しますし、このTRASH-NEWSも何を隠そう『XHTML 1.0』で書かれています。
しかしここでまたもや悲劇が起きます。なんと『XHTML 1.0』のマイナーバージョンアップとして開発された『XHTML 1.1』が世間のマジョリティブラウザInternet Explorer6(IE6)ととても相性が悪かったのです。具体的にはIE6で『XHTML 1.1』のページを表示させると記述の仕方によってはガッタガタに表示されてしまうのです(うまく認識してくれないことが原因)。あああ なんてことを 。
その流れからか未だに『XHTML』は1.0ばかりが利用され、次バージョン『XHTML 2.0』に対しての期待も沸くことなく世間に忘れ去られていったのでした。
そこで新たに注目を集め出したのが元祖『HTML』の次なるバージョン『HTML 5』。ここからがようやくニュース記事です。以下ITmediaの記事『「HTML 5」ドラフト、W3Cが公開』から引用します。
World Wide Web Consortium(W3C)は1月23日、次世代HTML標準「HTML 5」の初期草案(ドラフト)を公開した。一般ユーザーから意見を募集し、改善につなげる。
HTML 5は、HTML 4との互換性を確保しつつ、動画・音楽の埋め込み機能や、Webアプリケーション開発の簡易化、ブラウザ互換性の向上に向けた仕様などを盛り込む予定。2010年9月にW3C勧告として公表する計画だ。
とのこと。『HTML』は4.01が最終版だというウワサをどこかで聞いたことがありますが、まぁそれはそれで。
今度の『HTML』はなんと『XHTML』でなしえなかった"HTML"以上の応用が可能になるようです。具体的な応用事例はいったいどのようなものなのか この記事では言及されていなかったので発表元W3Cによるプレスリリースを読むことに。いわく
コンテンツ製作者らが特に注目している新機能として、2次元画像の描画や、音声及び動画コンテンツの埋め込みと制御、あるいは、クライアント側での永続的なデータ管理や、利用者側での対話的な文書ないし文書断片の編集のための API 群が挙げられます。また、<section> や <footer>、ページナビゲーション用の <nav> や、写真やその他の埋め込みコンテンツに説明を添えるための <figure> など、一般的なページ構成要素も容易に記述できるようになります。コンテンツ製作者は、アプリケーション側の要求に応じ、旧来の HTML 構文と XML 構文のどちらを用いてでも、HTML 5 を記述できます。詳しくは HTML 4 からの変更点一覧をご覧下さい。
要するに『HTML 5』ではニコニコ動画が作りやすくなるという認識でよいのでしょうか!
乱暴な認識とは自覚しつつも公開された草案(2MBなので要注意)を実際に読んでみると、SVGドキュメントに対応するなど確実に"美術的応用"が視野に入れられている様子。SVGというのはぶっちゃけた話がflashのような滑らかな静止画表現(ベクター画像)を文章で実現させた言語(y=3xといった数式のグラフで絵を描くと考えればぴったり)。Operaなどのブラウザではこれまでも描画することができましたが、これを『HTML』的にサポートするとなればこれほど胸が熱くなることはありません。管理が面倒なビットマップ画像はさようなら!
またこれまではdivタグでばかり占められていた空間表現法も新たに加わる新規タグによって彩られるよう。『HTML 4.01』→『XHTML 1.0』は仕様の厳格化が主目的だったように思えますが、『HTML 4.01』→『HTML 5』は明らかに仕様の爆発。これは間違いなく本が売れます!
またこれによって影響を受けるのは『HTML』の応用範囲である『JavaScript』も同様。ざっと草案を読んだかぎりではかなり『JavaScript』と『HTML』が融合しているような仕様の拡張が実現しそうです。『getElementsByClassName』メソッドの正式サポートはまさに待ち望まれた『HTML』+『CSS』+『JavaSctipt』=『flashを打ち破る真のDHTML』への大きな架け橋。先述のSVG対応もあわせて考えるとこれまでflashなどを利用するしかなかった動的な表現が、テキストエディタベースでよりカンタンに編集できるようになるのかもしれません。
そしてAjaxのことについてわざわざプレスリリースで触れていることを考えると間違いなくAjaxっぽいこと(="利用者側での対話的な文書"?)がどんどんサポートされていくに違いありません。ということはデータベース的な利用もますます活発化しそう。web2.0化の波がついに『HTML』にも押し寄せてきたのです。
おっそろしい!
そう、タグが増えたり仕様が拡張するのは作り手にとっては表現の幅が広がるということ。しかしそれと並行して理解を要される知識量も比例的に増え、それの先を行く形で仕様上のバグの増えるだろうことは間違いありません。
この『HTML 5』が正式にリリースされるのは2010年9月。多くのブラウザが対応するにはそこから半年~2,3年はかかるものと思われます(時期的にはIE9から正式サポート?)。まぁ、当分は『HTML 4.01』か『XHTML 1.0』の狭く薄っぺらい二者択一で安穏することができそうです。
[追記] 『HTML 5』について専門的にとりあげている『HTML5.JP』さんがあまりにも素晴らしい感じなのでご紹介しておきます。IE6などで『getElementsByClassName』メソッドを実現させるライブラリも是非参考にさせていただきます。
[追記] HTML5.JPさんでグラフ描画ライブラリが公開されていました。『getElementsByClassName』メソッドのみならずそんなところまで 。このライブラリによって描画される棒グラフやレーダーチャートが異様にカッコよすぎるのであわせてご紹介しておきます。
flashは要りませんね 。Excelは言わずもがな、要らない子です(言っちゃった)。
2009年01月06日 0時更新
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