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FFT-A2のクリア後レビューと感想(ネタバレなし)

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初出時刻
2007年10月31日 02時01分 投稿
最終更新時刻
2007年12月25日 22時00分 改訂
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ファイナルファンタジータクティクス A2 封穴のグリモア(以下FFT-A2)をクリアしました。4日で40時間オーバーという、『人として軸がぶれている』中毒ぶりでした。大学4年生さまさまです(ソレでよいのかはさておき)。

プレイするまではFFT-A2にはまったく期待していませんでした。前作であるFFT-Aがつまらなかったため、本作もつまらないだろうと。発売の前々日にAmazonで思いついたように予約を入れたくらい、僕の中では存在感のないゲームでした。

しかしフタをあけてみるとこれがめちゃくちゃ面白くて。以下超長文レビューと感想です。

本作は前作と比べて……

  1. システムの緩和によりプレイの制約がなくなった
  2. ゲーム内の目標が多彩になり『お使い』と感じることが少なくなった
  3. 電ポチするかいなかの絶妙な難易度になった

という3つの点で大きく変わりました。

システムの緩和によりプレイの制約がなくなった

FFT-Aシリーズには『ジャッジ』というシステムが共通して存在しています。FFT-AはシミュレーションRPGであり、その戦闘のなかで守るべきルールのようなものです。

この『ジャッジ』が前作では“守らないとデメリットがある”という位置づけでとても厄介な存在でした。やれこのユニットは攻撃してはいけない、この行動は取ってはならない……いろいろなことを気にしながらゲームを進めなければならなかったので、ゲームを楽しんでいるんだかやらされているんだかわからない錯覚に陥ったものです。

これが本作では“守るとメリットがある”という位置づけに変わりました。守ると戦闘が楽になるし、もし守らなくてもペナルティはない、前作とは逆転のシステムです。これのおかげで戦闘がとても気楽なものとなり、心置きなく戦闘に熱中できるようになったのです。

ファミ通の開発者インタビューによると『海外移植版のFFT-Aで採用した“守るとメリット”制の評判が良かったためFFT-A2でもそのようにした』、ということのようです。ただ今日このことをFF大好きな外国人の友人に話してみたら『いや、そもそもFFT-A(※あちらでは名前が違うよう)自体つまらなかったよ』とのこと。その理由というのが……

ゲーム内の目標が多彩になり『お使い』と感じることが少なくなった

前作では戦闘のクリア目標がほぼ全編を通して『すべての敵を倒せ』という単純なものでした。また『クエスト』というFFTシリーズの醍醐味であるサブストーリーにおいても同じ。300コあるクエストのほとんどすべてが“あの敵をすべて倒してきてください”→“倒してきます”→“倒しました”という展開。RPGで俗に言う『お使いゲーム』というヤツです。まったくひねりがなく、話の先を読む楽しみがない。モチベーションもあがるわけがありません。

これが本作ではヤバいことになりました。まずクエストの数が400コに増えたのはいいとして、同じようなストーリーのものがほとんどありません。どのクエストもきっちり異なるストーリー、異なるクリア条件なのです。先が読めないうえに、頭を使わないとクリアできないようなものも数多くあるので飽きが来ません。ちゃんとゲームらしいゲームに仕上がっています。前作がいかにやっつけだったか、そして本作がいかに作りこまれているかがよくわかる手の込み具合です。

[註釈] 本作においてもクエストの数は変わらず300コのようです。訂正してお詫びします。

電ポチするかいなかの絶妙な難易度になった

そしてそれに拍車をかけるように本作を面白くしているのがシミュレーションゲームとしての難易度の高さ。タクティクス(オウガバトル)シリーズがFFに鞍替えさせられてからはFFT、FFT-Aと3作目に当たる本作ですが、ともすれば最恐の難易度です。

これまでと違い本作ではゲームスタート時に難易度をハードかノーマルかのどちらかに設定できます。これをハードに設定してゲームを始めるとオープニングバトルでまず全滅しかけます。油断すると実際に全滅します。『オープニングバトルはイベントで勝てないようになっているのか~』と勘違いしたくなるほどの鬼っぷりです。どうやら敵から受けるダメージが1.5倍に増加するだけのようですが、この増えた0.5倍ぶんがとても厄介で恐ろしいのです。敵からのクリティカルで味方がどんどん葬り去られていくサマをみていると、スタッフはハードモードでテストプレイしていないんじゃないかと思わず疑いたくなります。

本作はただ闇雲に難易度が上がっているわけではありません。キャラクターの能力や戦略性が、前作そして名作の呼び声高い初代FFTよりも多彩になっているのです。つまりレベルが低くても敵が鬼のように強くても、考えて策略を張り巡らせば勝てるようになっているのです。僕はシミュレーションRPGをたくさんやりこんできたわけではないので強くは言い切れませんが、ここまでプレイヤーの立てられる戦略に幅があるシミュレーションRPGはかなり希有なのではないかと思います。ちなみに難しいといってもレベルをあげてゴリ押しすれば軽々クリアできますし、おそらく難易度がノーマルならば普通の難易度です。ただハードならば頭をひねりにひねって勝てるような難易度になっていると、そう僕は感じています(終盤になれば逆にいろんなバランスブレイカーが出てきて難易度がガタ落ちしますが)。

FFT-A2の最大の争議点は本編の短さ?

ここまでベタ誉めしてきましたが、FFT-A2にはいくつかの問題点もあります。

まずメインのストーリーがとても短い。本作ではメインのストーリーもクエストとして扱われているのですが、400あるクエストのうちメインストーリーのものはなんと20コ。全体の5%しかありません。メインストーリーの魅力が乏しいを早く進めるのが惜しくなるためサブストーリーのクエストばかりやっていき結局プレイ時間は長くなるものの、本筋だけを味わうならば20時間とかからずクリアできるボリュームです。

ただし先述したとおり本作ではクエストの内容がとても多彩になりました。ゲームとしてとても楽しいので、メインをクリアしてもサブを進めたくなります。何せメインストーリーで喋るセリフの量よりもサブストーリーで喋るセリフのほうが圧倒的に多いのです。メインキャラよりも目立つサブキャラはザラにいます。メインで足りない世界観はサブで十二分に補うことができる、やりこめばやりこむほど没入できる仕組みになっているのです。

まぁ素直に本編長くしろよとはおそらく誰もが思うところでしょうが……(サブのほうでもメインに関わる話や設定が出てくるので一概に本編が物足りないわけではない)。

いま現在僕は150のクエストをクリアしています。まだ全体の3割程度ということになります。そしてプレイ時間ははや50時間。完全クリアまで単純に200時間ちかくかかる計算です。しかし僕がクリアしたクエストはカンタンなものばかり。面倒なものは後回しにしているので……ああ、これからやるクエストを考えただけでクラクラしそうです。ファミ通かなにかで『完全クリアまでに2~300時間』とあるのを見たときはなんの悪い冗談かと思いましたが、これはホンキです。ヤツらは本当にプレイヤーを300時間引きずり込むつもりでFFT-A2を世に送り出してきました。

とりあえずアデルたんハァハァ

ヒロインのアデル(ツンデレ)が素晴らしいのは言うまでもありません。本編だけを追っていくといきなり『ツン』から『デレ』へと変貌を遂げるので正直感動するものも感動できませんが、サブをきちんとこなしていくとその過程が如実にわかります。EDでは不覚にも涙がこぼれました。多彩な設定ドット絵の魔力言外のテキスト(矛盾)への妄想力、この3つが揃うと人はゲームに感動できるのですね。

そして時を見計らったかのように公式サイトで公開されるオフィシャルサイドストーリー。ライトノベルにハマっていた高校生の頃を思い出すほど作中世界に没入しているいまの僕には、むしろ生殺しです。そういうのは、ゲーム内で、きちんと語れ!

ファイナルファンタジータクティクス A2でひさしぶりにゲームを遊べた(気がする)

僕は最近ゲームらしいゲームを遊んでいませんでした。FFXIIは遺跡探索ゲームであり3Dの世界を散歩するだけが楽しみでした。DQ8も然り。グラフィックがいくら綺麗であろうとゲームを楽しめることに直結しないというのは昨今のゲーム評論で言われてきたとおり。僕もそうだと思います。そこへいくとFFT-A2はゲームとして楽しめました。ゲームとして面白かったためです。3Dでもありませんし、当然グリグリ世界を回せませんが、作中世界にはバッチリ没入できました。

少し前に『ゲームに飽いた大人たちへ』というキャッチフレーズがありましたが、そのフレーズは案外このFFT-A2に相応しいのではないかと思います。FFT-A2はとりたてて目新しいわけでもないし、タッチペンもまったく使わない。15年前に出ていてもおかしくないゲームです。昔ながらの面白さを内包しつつ現代版にアレンジされた(GUIが改良されているという点で)FFT-A2はもしかすると大人ウケするゲームなのかもしれません。

FFT-A2の良かった点まとめ
  1. ゲームシステムがプレイしやすさを第一に優先して設計されている
  2. それでいて難易度は維持している(高くも低くもなる)
  3. クエストがサクサク遊べる軽さになっている(1つあたり3~30分程度)
  4. クエストのボリュームが大きく、なおかつ多彩
  5. 取り返しのつかないことが少ない(二度と手に入らない○○というものがほぼない)
  6. 敵を全滅させても目標を達成させるまでは戦闘終了にならない(FFTのディープダンジョンの苦労を考えれば快挙)
  7. タッチペンを使わないという英断
  8. 演技するドット絵
  9. 全体的に手が込んでいるなと思わせるネタの盛り込みぶり
  10. 音楽が崎元仁ファミリー(FFXIIの使いまわし=禁句)
  11. アデルたんのシナリオが充実している(そして性能的にも優遇されている)
  12. 結論 :: アデルたんハァハァ
FFT-A2の悪かった点まとめ
  1. やれること/やりたいこと/やるべきこと/やれてしまうことが多すぎる
  2. メインシナリオが尻切れトンボ
  3. たまに処理落ちする(ひっかかる)
  4. ハードモードにすると凶悪な難易度になるクエスト/敵がいる(アントリオンで5回全滅)
  5. NPCが基本的にバカで好戦的(NPCを死なせてはならないクエストが一番大変)
  6. FFXIIの悪しき伝統『主人公は空気』を若干引き継いだ感はある(俺はルッソ好きだよルッソ)
  7. セーブ確認音がないので不安(セーブ/リセットが多いゲームとしては痛め)
  8. はい/いいえの念押しがほしいときに限ってない(空港でボタン連打して堂々巡りしがち)
  9. 画面内に情報を詰め込みすぎ(大事な情報に限って表示されていなかったり)
  10. 編成画面が直感的に操作しづらい(シミュレーションRPGなのにね……)
  11. やっぱり一方向からだけのクォータービューはみづらいこともある(敵と味方だけ表示されるような単純なバードビューがあっても)
  12. 使いまわしの多いシステム部分のグラフィック(戦闘のないクエストでも戦闘シーンと同じコンテ)
  13. クエストに前説やアフターストーリーなどがないものも多い(前作と同じく作業的になりかねない)
  14. ストーリーを振り返ることが出来ないので伏線を忘れがちになる(FFT無印では全部回想できたのに……)
  15. グリア族の色彩がおかしい(ピンクの髪と黄緑の翼のカラーリングが実に目に毒)
  16. 『FFT-A2』という、前作を髣髴させ過ぎるネーミング
  17. 発売初日に10万本しか売らなかったスクエニの営業
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2008年08月22日 0時更新

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